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第二十五章 ― デート

「おはよう、眠り姫」

目を開けると、ディーゼルの色気のある声が聞こえた。彼は私を抱きかかえたまま、城の階段を降りているところだった。どうやら帰りのフライトで眠ってしまったらしい。

「執務室で戦士長たちとの会議があるんだが、もう十分前に始まっているはずの時間なんだ。君を部屋に寝かせておくつもりだったが、目が覚めたようなら一緒に連れて行こう」

「わかったわ。でも、まずは下ろしてくれる?」私は微笑んだ。

執務室のドアの前まで来ると、彼は私を下ろした。そして私の手を取り、ドアを開けた。「遅れてすまない」

私たちが会議テーブルへと歩み寄ると、すでに全員が着席していた。...

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