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第四十一章 ―― 戦争

「誰がペイトンに伝えるの?」

医務室へと歩きながら、私は尋ねた。

アルファ・ノックスとディーゼルは、どう切り出すべきか迷っているかのように、気まずそうな視線を交わした。ペイトンがあの拒絶にどれほど深く傷ついたか、私は知っている。かつてラモスは、彼女を一目見るなり拒絶したのだ。ディーゼルがタイタスに挑んで彼を殺した後、ペイトンがディーゼルの妹だったという理由だけで。当時、ラモスは「クレセント・ムーン」の群れが擁する最強の戦士の一人だった。だが、先代アルファへの盲目的な忠誠心が、彼をはぐれ狼へと変えてしまったのだ。

私たちは医務室に到着した。ロス医師にとって、今...

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