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第五章 - 友人
はぐれ狼による襲撃から二週間が経った。ミランダを含め、誰もが私をいじめるための特訓やパトロールで忙しくしている。肋骨の怪我も癒え、ここ長い間、感じたことがないほど体調が良い。
ブルーベリーマフィンの件以来、マックスが窓辺に食事を置いていってくれるようになった。毎日きちんと食事を摂ることで、私の中に体力と活力が湧いてきた。おかげで雑用も少し早く片付けられるようになり、その分、睡眠時間を確保できている。
夜の十時。私は乾燥機の前に立ち、物思いに耽りながら最後のタオルを畳んでいる。明日は私の十八歳の誕生日だ。怖いのか、それとも楽しみなのか、自分でもよくわからない。たぶん、その両方だろう。明日になれば初めて変身し、自分の狼を得ることになるはずだ。自分の狼に会うのが待ちきれない。彼女が私を気に入ってくれるといいけれど。本来、狼は強い生き物だ。彼女が私を弱いと感じてしまわないか、それだけが心配だ。
狼を得れば、パックの仲間とマインドリンク(念話)ができるようになる。体も丈夫になり、傷の治りも早くなるだろう。私の匂いも強くなり、もし彼がこのパックにいれば、「番(つがい)」を見つけることができるかもしれない。私の運命の番! 私はため息をついた。私のために創造され、私を守ってくれるただ一人の人。運命の相手やファーストキスのことを夢想していると、小さな窓をコツコツと叩く音が聞こえた。マックスだ。
私は乾燥機の上に飛び乗り、窓をスライドさせて開けた。
「もうすぐ誕生日の主役の調子はどうだい?」マックスは満面の笑みで尋ねた。手にはピザの箱を持っている。
「ピザ!」私は思わず甲高い声を上げた。最後にピザを食べたのがいつだったか思い出せないほどだ。
「何が好きかわからなかったから、ミートラバーにしたよ」マックスは箱を開け、窓辺の地面に滑らせた。
「最高のチョイスよ。人狼はみんなお肉が大好きだもの」私は笑った。
「さあ、食べて。明日の初変身のために、健康で強くなってもらわないとな」彼は私の小さな窓の横、家の壁に背を預けて芝生に座り込んだ。誰かに「誕生日おめでとう」と言ってもらうなんて何年ぶりだろう。そのうえ、ピザまでありつけるなんて。
私は窓から手を伸ばし、ずっしりと重いピザを一切れ慎重に持ち上げた。イタリアンソーセージ、ペパロニ、ハム、ベーコンが山盛りだ。あまりにいい匂いで、よだれが垂れそうだった。
一口かじる。「んんっ……ああ、女神様。マックス、これ最高」
彼は声を上げて笑い、自分も一切れ手に取った。「全くだな」そう言って彼もピザにかぶりついた。
私は乾燥機の上に座り、彼は外で星空の下に座る。私たちは心地よい沈黙の中で食事をした。ここ数晩、こうして食事をしながら話をしていたのだ。
「ルーシー、レンジャーから明日、『ナイト・ハウラーズ・パック』へ同行するよう頼まれたんだ。重要な用件があってね。夜明けに出発して、日没前には戻る予定だ。そうすれば、君の初変身を手伝ってやれるから」
「わかったわ。ありがとう、マックス」
「もう一切れどう?」彼は勧めてくれた。
「食べたいけど、もうお腹いっぱい」私は満腹のお腹をポンと叩きながら、彼を見下ろしてにっこりと笑った。
「ほら、夜中に目が覚めてお腹が空いた時のために」彼はナプキンでもう一切れの大きなピザを包み、窓越しに渡してくれた。
「ありがとう、マックス。また明日の夜に」私は笑顔を返し、彼が去るのを見届けて窓を閉めた。
私はプラスチックの衣装ケースの上にピザを置き、犬用ベッドの中で丸まった。マックスは間違いなく、「ダーク・ムーン・パック」で私の一番のお気に入りになっていた。
マックスは二十三歳で、レンジャーより二つ年下だ。十八歳で番を見つけ、その一年後には第一子を授かっていた。彼の番であるオリビアは当時妊娠していたが、私の父やルナと同じはぐれ狼の襲撃で命を落としてしまったのだ。
マックスは妹のミランダとは正反対だ。マックスのことを考えながら頭を横たえ、いつか彼にセカンドチャンス・メイト(二度目の番)が巡ってくるようにと、月の女神に祈った。誰かが幸せになるべきだとするなら、それはマックスだ。彼と結ばれる女性は、きっと幸運な狼だろう。
まぶたが重くなり、閉じていく。満腹で眠るのがこんなに幸せだなんて……あのピザ、最高だったな。そう思いながら意識が遠のいていった。
『ルーシー』
『ルーシー』
眠りから覚め、私は眠い目をこすりながら開けた。まだ外は暗い。誰かに名前を呼ばれた気がした。
『こんにちは、ルーシー』
私はベッドで上半身を起こした。「誰?」声を上げてみる。女性のクスクスという笑い声が聞こえたが、姿は見えない。
『ルーシー、私よ、リア。あなたの狼よ』その声は言った。
きっと深夜十二時を過ぎたのだろう。厳密には、もう私の誕生日だ。
『お誕生日おめでとう、ルーシー!』彼女は言った。
「ありがとう」私は声に出して言った。
『ルーシー、声に出さなくてもいいのよ。頭の中で話しかければ聞こえるから』
「ああ、そうね」私はにやりと笑った。目を閉じてリアに意識を集中させる。頭の中に彼女の姿が見えた。美しい。太陽と炎のような色をしていて、私と同じ琥珀色の瞳を持っている。尻尾を振っていて、狼にそれが可能なら、まるで微笑んでいるように見えた。
「やっとあなたと一緒にいられて、すごく嬉しい」いつでも話せる相手がいることに感謝しながら、私は言った。
「ルーシー、生まれた日からずっと一緒にいたのよ。ただ、十八歳の誕生日まで眠っていただけ」
「いつ変身できるようになるの?」私は興奮して尋ねた。
「いつでも自分の意志で変身できるわ。できればすぐにでも足を伸ばして走りに行きたいな」彼女は言った。「その前に何か食べたほうがいいわよ。初めての変身はすごくエネルギーを使うから」
私はマックスがくれたピザの残りを掴むと、勢いよくかぶりついた。ピザの味に、リアが嬉しそうに唸るのが聞こえた。
「おいしい!」彼女はまるで猫のように喉を鳴らした。
「今夜、マックスと一緒に初めての変身をしに行こうか」と提案してみた。
「ルーシー、最初は一人で変身したほうがいいわ」リアが言う。
「どうして?」
「変身してみればわかるわ。さあ、日の出までまだ時間があるし」
「わかった。でも本当に気をつけないと。夜はもちろん、家から出ることも許されてないんだから」
「大丈夫、なんとかなるわよ。厳密に言えば、今は早朝であって夜じゃないしね」彼女は生意気そうに言い返した。
私は乾燥機の上に飛び乗り、小さな窓を開けて外へと這い出した。森に向かって全力で走ったが、人間の姿であるにもかかわらず、今までよりも速く走れているような気がした。お気に入りの倒木にたどり着くと、変身した時に破れないよう服を脱ぎ、倒木のそばの茂みに慎重に隠した。
「次はどうすればいい?」私はリアに尋ねた。
「目を閉じて、私の姿を思い浮かべて」彼女は言った。「怖がらないで。最初は痛いけど、何度か繰り返せばすぐに終わるし、痛みもなくなるわ」
痛みという言葉に少し不安を覚えた。私は目を閉じ、深呼吸をして、自分の中にいる美しい狼に意識を集中させた。膝から崩れ落ちると、骨がバキバキと音を立てるのが聞こえた。焼けるような激痛が走ったが、巡回の狼たちに見つかりたくなかったので、悲鳴を上げないよう必死に耐えた。
「集中して、ルーシー。あなたならできる。あと少しよ」リアが励ましてくれる。
激しく息を切らし、口からは唾液が溢れていた。十分ほど経って目を開けると、湿った土に自分の前足が食い込んでいるのが見えた。私の前足!! 四つん這いで立っている! それに毛並みは……黄金色?
こんなに明るい色の狼なんて、今まで見たことがない。私は心の中でそう思った。
「見たことないはずよ、ルーシー。私たちは特別なんだから」と彼女。
もちろん、狼の姿になっても私は「普通」じゃない。群れの他のメンバーにこのことでいじめられなければいいけど。どうせまた何か言われるだろう、と私は苦々しく思った。
「命が惜しければ、手出しなんてさせないわ!」リアが唸った。
「落ち着いて。走りに行きたい?」私が尋ねると、彼女は嬉しそうに短く吠えて答えた。
リアが主導権を握り、想像を絶する速さで走り出したのを感じた。倒木や茂み、岩を次々と飛び越えていく。木々の間を疾走し、風が毛並みを撫でるのを感じる。なんて自由なんだろう。
前方の小川までたどり着き、リアは身をかがめて水を飲んだ。水面に映る自分たちの姿が見える。瞳は私と同じ色で、毛並みはまるで炎が燃え盛っているようだった。空を見上げると、美しい月が頭上に輝いている。喜びのあまり遠吠えしたい衝動に駆られたが、誰かに見つかるわけにはいかないので必死にこらえた。
すごい! 辺りを見回しながら心の中で叫ぶ。狼の目を通すと、すべてがはっきりと見える。色彩はより豊かに、細部まで鮮明になっていた。嗅覚も聴覚も鋭くなり、まるでスーパーパワーを手に入れたみたいだ。
私たちは再び走り出し、森の中を転げ回って遊んだ。空が白み始め、日の出が近づいているのがわかる。服を隠した倒木のある林の境界線へと戻ったが、どうやって人間に戻ればいいのかわからなかった。
「ただ人間の自分を想像するだけでいいの」リアが教えてくれた。
私は人間の姿を強くイメージした。またしても骨が砕ける音が響く。私は森の地面に顔から倒れ込み、悲鳴を上げまいともがいた。関節が焼けつくように熱く、エネルギーが完全に抜け出ていく。本当に気を失ってしまったのかどうか、自分でもよくわからなかった。
私は裸のまま、湿った地面の上で胎児のように丸まっていた。身動きが取れない。誰かの足音が急速に近づいてくるのが聞こえ、私は目を閉じた。リアが突然、警戒すると同時に興奮し始めた。蜂蜜とシナモン、そしてリンゴのような芳醇な香りが鼻をくすぐる。最後に聞こえたのは、低い唸り声だった。
「俺のものだ」
