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第十三章 - 脱出

「ずっとお前と二人きりになるのを待っていたんだが、まさか自分から狼の巣穴に飛び込んでくるとはな。なんてツイてるんだ!」エロスは私に向かって微笑んだ。

「なぜ私を探していたの、エロス?」

「ああ、レイヴン、愛しいレイヴン」彼はチッと舌打ちをした。「そのセクシーな衣装をまとった姿を見れば、あの牧神パンでさえ、この魅惑的な木の精(ニンフ)を追いかけ回すだろうよ」彼はそう言いながら、私の顔からマスクを取り外した。

「私に何の用?」私は詰問した。

彼は私の腰をより強く掴むと、自身のオフィスへと引きずり込んだ。私をアームチェアに放り投げると、両手を私の顔の脇につき、その折れ曲...

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