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第四十一章 ついに

ディミトリ視点

「落ち着けよ。俺はお前の可愛いレイブンに会いたいだけだ」奴は胸糞の悪い笑みを浮かべて言った。

「奴は『番』のことを知っている」ドムが俺の中で低く唸る。

「今回こそ、確実に奴の息の根を止めなきゃならない」俺はドムに告げた。

父は視線を『鳥の巣』へと向けた。「カラス(レイブン)にはおあつらえ向きの場所じゃないか、鳥の巣とはな! なあ息子よ、あの鳥の巣は防弾仕様か? 建てた時に防弾にしたかどうか、どうも思い出せなくてな」

俺は即座にスピロへマインドリンクを送った。『鳥の巣にもう一層、鋼鉄の板を張り巡らせる時間はあったか?』

『やりましたよ、アルファ。...

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