第5章

ジュリアン視点

 はっと目を覚まし、手の甲に刺さっていた点滴の管を力任せに引き抜いた。

 よろめきながらベッドから這い出し、サイドテーブルのスマートフォンを鷲掴みにする。

 通話がつながった瞬間、俺は私立探偵に向かって半ば怒号を浴びせていた。

「エリザベスがどこへ行ったか突き止めろ! 今すぐにだ!」

 怒りに任せて病室を飛び出し、狂ったように車を走らせた。

 リジーが消える? どうしてそんな真似ができる?

 獲物は、狩人が許した時にしかゲームから降りられないはずだ。

 その時、俺を突き動かしていたのが怒りなのか、それとも息が詰まるほどの底知れぬ恐怖なのか、自分でも判然としなか...

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