第6章
イタリアのコモ湖に浮かぶ、あるプライベートアイランド。
ウェディングドレスに身を包み、私は鏡越しの自分を見つめていた。
スマートフォンが一度震える。ジュリアンからの新着メッセージだった。
「エリザベス、お前が見ているのは分かっている。たとえ地の果てまで行こうと、絶対にお前を見つけ出してみせる」
口元に嘲りの冷笑が浮かぶ。
ジュリアンらしい。
こんな時でさえ、狩人が獲物を威嚇するような口調を崩さないのだ。
背後のドアが開かれた。
クリストファーが足を踏み入れる。仕立ての良い燕尾服を身に纏った彼は、とても若々しく精悍に見えた。
その瞳に、一抹の憂いが浮かぶ。
...
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