第7章

【瑠理香視点】

 村木家の屋敷の門を抜けて、まだいくらも歩いていないというのに、背後から切羽詰まった足音が追いかけてきた。

 敬明が追いつき、私の腕を乱暴に掴む。

「瑠理香、お前は本当にそこまで冷酷になれるのか」

 押し殺したような低い声。だが、そこからは今にも怒りが爆発しそうだった。

「一体何の権利があって俺にこんな仕打ちをする」

 私はその手を力任せに振り払った。

「離して。もう十分に説明したはずよ」

「ハロー?」

 傍らから、穏やかな声が降ってきた。

 私と敬明は同時に振り返る。

 道端に停車していた控えめな黒のセダン。その窓が静かに下りると、温和でありながらも、...

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