第149章

佐藤家を出て、高橋桜が建物の下に着いたところで、黒田白からの電話がかかってきた。

「今日は会社に来たのか?」

その言葉に高橋桜は一瞬動きを止めた。「どうして知って……」

言いかけて、高橋桜は何かを思い出したように、先ほど車を停めていた方向を見やった。

案の定、見覚えのある車がそこに停まっているのが見えた。

「どうしてここに?」

「偶然さ」電話の向こうで黒田白が軽く笑った。

「前回話した提携の件で、最終確認に来たんだ」

前回の話と聞いて、高橋桜は疑いを持たなかった。

というか、黒田白が前回の話をしなくても、彼女は何も疑わなかっただろう。この数日間、彼女は会社に来ていなかったの...

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