第215章

雨宮麻里奈は顔色を変えた。

本当は高橋桜に、佐藤さんが謝りに来るつもりだという話を伝えるつもりだった。けれど、さっき黒田白の言葉を聞いてしまったせいで――わざわざ言う必要なんてないのかもしれない、と思ってしまう。

そう腹をくくると、麻里奈は気まずそうに笑った。

「い、いや……何でもない」

それを聞いた桜の顔に、疑いの色が浮かぶ。

「帰ってくるとき、電話で『話がある』って言ってたじゃない」

「うん、それは……そうなんだけど」麻里奈はどこか慌てたまま言い訳を重ねる。「そのときは感情が高ぶってて、言いたいことがあったの。でも今は、もうないの」

桜が眉をわずかに上げる。

「そうなの?...

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