第3章

 深い水の底から水面へ浮かび上がるみたいに、私はゆっくりと意識を取り戻した。治療棟の一角には独特の匂いがある。冷たくて鉱物じみた――しばらくの間ずっと、慎重な作業が積み重ねられてきた部屋だけが持つ、あの特有の空気。

 ベッド脇の椅子にミーレンが座っていた。私が身じろぎすると、彼女は顔を上げた。

「三日よ」彼女は言った。

「三日間、ずっと眠ってた」

 私は即座に計算する。三日失った。残りは一日。

「運び込まれたときに血の検査をしたの」声が慎重だった。

「二つ目の反応が出た。七週」彼女は一拍置く。「封印のダメージで――もたなかった」

 私はしばらく彼女を見つめた。

「ヴェイラーは知ってる?」

「いいえ」

「このままにして」思ったより声がぶれなかった。

「私のものだった」

 七週。時期は儀式より前、回廊より前、何もかもが始まる前に合う。あの頃の私は、知らないまま抱えていたのだ。

 泣いた。長くはなかった。ミーレンは私の手を握り、何も言わなかった。それが正しかった――役に立つ言葉なんて、どこにもない。彼女はただ、私が泣き終わるまでそこにいてくれた。

 終わったら、終わりだった。

 扉が乱暴に開いた。

 ヴェイラーが入ってきた。勘定をつけに来た人間の顔をしている。私の具合を尋ねもしない。肩の包帯も、転倒で顎にできた痣も見ない。血統の間での出来事のときと同じ目で私を見た――情報はすでに処理済み、結論もすでに出ている、という目。

「歩けるようになったら、祖霊の社に出頭しろ」彼は条件を読み上げるように言った。「三日以内だ。正式な赦免嘆願。お前は血統儀式を損ね、氏族の後継を危険にさらした」

 彼はもう扉へ向き直っていた。

「拒めば、不名誉を理由に婚約は破棄される」

「わかった」私は言った。

 彼が止まる。

 私は上体を起こし、ベッド脇のブーツに手を伸ばした。指先は迷わずそれを掴む。

「婚約は終わり」私は言った。

「社には行かない」

 一足目に足を通す。彼は動かない。

「私はあの祭壇に触れてない。でも、あなたが彼女を信じる理由はわかる――ずっと彼女を信じてきたものね。私が知らなかっただけ。評議会の間の外であなたの声を聞くまで、私はここにいる理由がただ一つだったって。扱いやすいから」

 二足目を履き終える。立ち上がった。背中がぎゅっと引きつれ、痛みが走る。それでも顔には出さない。

「五年。きれいに縁を切る。探しに来ないで」

 私は出ていった。

 回廊は空っぽだった。転送門は予約済みだった。

 彼は追ってこなかった。

 彼は、完全にそうするつもりになる前に、彼女の部屋へ戻ってしまった。考えていたわけじゃない。ただ気づけば、彼女の扉の外の回廊に立っていた。

 扉は開いていた。鍵をかけていない。

 彼は最初、素早く部屋を抜けて確認した――どこかに彼女の痕跡があるはずだと、別種の試練の印があるはずだと、まだ身体の一部が期待していた。だが何もない。彼女は自分の物を持っていっていた。そうとわかったのは、それが驚くほど少なかったからだ。部屋は、彼女が来た日のままに近い。

 五年。それで残ったのは、これだけだった。

 彼は彼女の扉の外に腰を下ろし、回廊が暗くなるまでそこにいた。

 それから伝令石を拾い上げた。

「どこにいる」ミーレンが応答すると、彼は言った。

「彼女は出ていったわ」

「出ていったのは知っている。どこだ」

「婚約を終わらせたのはあなたでしょう。今さら何の意味があるの?」

「ミーレン」

 沈黙。彼女が口を開いたとき、その声は平坦だった――怒りではなく、ただ終わっている声。

「彼女は妊娠七週だった。あなたが封印したときに失ったの。本人だって今朝まで知らなかった」

 石は彼の手の中で黙り込んだ。

「それと、彼女はあなたの声を聞いてた。あの夜、評議会の間の外で。全部。あの儀式に姿を見せる前から、あなたが本当は彼女をどう思ってたか、彼女は知ってた」一拍。

「ただ、目を覚ましたときにあなたの顔を思い出せなかっただけ」

 沈黙。

「不思議よね、そういうの」ミーレンが言った。

 彼女は通信を切った。

 彼は石を握ったまま立ち尽くした。

 口を開き、閉じた。

 転送門の記録には、彼女が予定通りに出ていったと残っているはずだ。確認しなくてもわかる。街を丸ごとひっくり返したって、何一つ出てこない。あの部屋に残されていたものを、彼はすでに見た。意味もわかっている。

 彼は彼女の名を一度だけ呼んだ。誰も答えない。

 伝令石が手から滑り落ちた。床に当たり、二度と光らなかった。

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