第5章

芹奈視点

「私の部屋で何をしているの?」

私は明かりをつけ、冷静に問いかけた。

明良は弾かれたように立ち上がった。

「こんな遅くに帰ってきて……あの蓮とかいう男と一緒にいたのか……?」

「あなたには関係ないでしょう?」私は即座に言い返した。「翔一さん、私はあなたの義理の姉ですよ。義弟のあなたに、私の私生活を報告する必要はありません」

「私生活、だと?」明良の声が震えていた。「芹奈さん、そんなに他の男と付き合いたいのか?」

「付き合いたいわけじゃありません」私は淡々と言った。「友人と過ごして、悲しみを乗り越えようとしているだけです。それの何がいけないんですか?」

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