第14章

部長は年こそ重ねているが、耳はやたらといい。金田部長がぴたりと足を止めた瞬間、日野成謙はもう口にしたことを後悔していた。だが、いまさら遅い。教師はくるりと踵を返し、彼の前まで戻ってくる。

「見なかったことにしてやろうと思ったのに、ずいぶん調子に乗ってるじゃないか。始末書を出せ。おまえが危うくやらかしかけた二点を重点的にな。しっかり反省しろ」

「先生……始末書は勘弁してくださいよ。今日は早く帰りたいんです……」

「褒めてほしいんだろう? 書いてくれなきゃ、この年寄りにはどこをどう褒めればいいのかわからんだろうが」

「先生、俺が悪かったです。本当にすみません!」

結局そのまま、当直の医...

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