第15章

目黒雲月は何も言わず、ただ腰をかがめて野呂雨芽を抱き上げた。野呂雨芽はその首に腕を回し、くすっと笑う。

「雲月さん、これって私、得してることになりません?」

目黒雲月は心の中でひとつ溜め息をつき、淡々と言った。

「おまえはほんと、子供みたいだな」

野呂雨芽は少しだけ唇を尖らせる。

「それは雲月さんが小さい頃から甘やかしてきたせいでしょ」

目黒雲月は否定できなかった。

目黒らいはソファのそばへ寄り、目黒雲月が野呂雨芽を抱えたまま家の中を歩く姿をじっと見つめていた。けれど胸の奥には、言葉にしにくい違和感がじわりと広がっていく。まるで、この光景はこの家にあってはいけないもののように。...

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