第156章

日野成謙は浴室に入り、鏡の前まで歩くと、ゆっくりと服を脱いだ。鍛えた胸板が露わになる。

「……っ」

肌着を引き抜いた瞬間、眉間がきゅっと寄った。

背中の痛みで、思わず息を吸い込む。

一晩じゅう耐えた。林田知音に気づかれなかったのが、せめてもの救いだ。

鏡越しに見えた背中には、太く赤い、腫れ上がった跡が五、六本。棒で叩かれたような、ぞっとする筋が走っていた。

引き出しから、さっき薬局で買っておいた薬酒を取り出す。肩口からとろりと垂らした途端、想像以上の痛みが走った。

歯を食いしばる。額に汗が滲む。

こんな歳になって、祖父に殴られたのは初めてだ。しかも容赦がない……。

まあ、そ...

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