第169章

「あら、知音ちゃんのお誕生日なのね。みんなでお祝いしてるの? あなたたちは?」

目黒奥様が声をかける。

「今日は小池夫婦と会う日なんです。小池南さんがずっとクラウドレストランに来たがってて、こちらの個室を予約しました」

「そう。じゃあ、楽しいお食事を」

三上乃が目黒らいの手を引き、そっと促す。

「おばあちゃんに、さよなら言って」

「おばあちゃん、ばいばい」

目黒らいは手をぶんぶん振り、三上乃と連れ立ってレストランのほうへ歩いていく。目黒奥様は二人の背中を見送り、小さく息をついた。どういうわけか、三上乃を前にすると、どうしてもあの高慢な顔が作れない。

林田知音が化粧室から戻る頃...

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