第174章

林田知音と日野成謙の結婚式は、五月下旬に決まった。日々はあっという間に過ぎていく。

結婚式というのは、想像以上に面倒なものだ。とりわけ今回は、日野成謙と林田知音の結婚が日野家に正式に受け入れられたうえ、林田知音は林田稲のたった一人の実の娘。名門同士の婚礼となれば、自然と規模も格式も跳ね上がり、何から何まで気が抜けない。

日野家が客に侮られるなど、ありえない。まして祖父母にとっては、目に入れても痛くない孫の晴れ舞台だ。細部に至るまで口も手も出したくなるのは当然で、招待客のリストに至っては、すでに大半が決まっていた。

ベッドにもたれた日野成謙は、手元の長い名簿を眺めて、ふうっと息を吐いた。...

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