第22章

「みんながみんな野呂嬢みたいだったら、警察なんていらないでしょう?」

「あなたみたいな普通の人の目には、警察は正義で、弱い者を守ってくれる存在に見えるのかもしれないわね。でも、言い忘れていたけれど、うちの兄は県警本部のベテラン刑事なの」

 大島さんは半歩、身を引いた。目の奥に怯えがちらつき、ごくりと唾を飲み込む。

「あなた……いったい何をするつもりなんですか。どうしてこんな……」

「あなたには、まだひとつ道があるわ。ただし、その道を選んだら、忠犬ではいられなくなるけれど」

 野呂雨芽は、すでに赤く腫れあがった自分の手を持ち上げ、大島さんの目の前へ突きつけた。

「林田知音を呼び戻し...

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