第31章

目黒雲月が帰宅すると、野呂雨芽が二階から降りてくるところだった。

「おかえり。らいちゃん、さっき寝たところよ」

雲月は軽くうなずく。

「林田知音さんはどうだった?」雨芽が尋ねた。

「病院に行った時には、もういなかった」雲月は苛立ちを押し隠すように、首元を指で引いた。

雨芽が一歩寄り、彼の上着を受け取る。「じゃあ電話は? 今どこに住んでるの?」

「かけた。出ない」

雲月は疲れた額を揉む。「今日は……しんどい。先に寝ろ」

そう言い捨て、雲月はそのまま寝室へ向かった。

雨芽は唇を噛み、黙って後を追う。彼女が入ってきたのを見て、雲月は一瞬だけ目を丸くした。

「……どうした」

「...

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