第42章

林田知音が何気なく言うと、もう大島さんは目に涙を溜めていた。

「かしこまりました、奥様」

大島さんが氷を持ってくる。林田知音はそこでようやくマスクを外した。大島さんは顔色を変えて固まる。

「奥様……」

「消炎の薬も探して。それからガーゼ。うちに火傷の軟膏もあるでしょ。こっちの手も薬、替えないと」

「奥様……いったい、どんな目に……」

「二十二のときの過ちのツケを払ってるだけ。そんな大げさな話じゃないわ」

その淡々とした言いぶりが、かえって大島さんの胸を締めつけた。

「らいちゃんが起きたら、私ちょっと風邪気味で、だからマスクしてるって言って」

「……はい」

昼間は一日中、林...

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