第50章

時間が一秒、また一秒と過ぎていく。目黒雲月はただ、呆然と立ち尽くしていた……。

そのとき、鋭いヘッドライトがさっと彼を照らした。目黒雲月が目を細めて見ると、目の前にスポーツカーが滑り込むように停まる。次の瞬間、日野成謙が車から飛び降り、一直線に駆け寄ってきた。

「林田知音はどこだ」

目黒雲月がわずかに眉をひそめる。日野成謙は地面に落ちた吸い殻をひと目見るなり、いきなり拳を叩き込んだ。

「おまえ、それでも男か!?」

そのまま日野成謙は別荘へ走った。玄関は閉ざされている。彼は脇にあった大きな植木鉢を抱え上げ、引き戸へ向かって思いきり叩きつけた。けたたましい警報音が鳴り響く。

ガラス戸...

ログインして続きを読む