第51章

鎮静剤が効いているあいだに、林田知音はひと眠りした。

次に目を覚ましたときには、全身の痛みはもう耐えがたいほどではなくなっていた。白い天井の照明がちらちらと目に刺さって、少し痛い。彼女は手を上げ、自分の額にそっと当てる。

ここが病院だということも、

日野成謙が最上級の個室を用意してくれたことも、

わかっていた。

昨夜の出来事も、何ひとつ忘れていない。

目黒雲月の冷淡さも、底意地の悪さも。

守屋龍介の狂気も、異常さも。

そして日野成謙の怒りと、痛いほどのいたわりも。

林田知音は長く息を吐いた。

気持ちは不思議なくらい静かだった。ただ、頬を伝う涙だけが、彼女の脆さと惨めさを黙...

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