第12章 晩餐会で喧嘩する

羽鳥秋葉は席へ戻った途端、脚がふらつき、ナイフとフォークさえ取り落としそうになった。

――まずい。古川静弘に勘づかれた。

けれど、これだけは絶対に知られたくない。

秋葉はわざと不思議そうな顔を作り、平静を装う。

「もちろん違うわ。もし妊娠してたら、あなたに隠したりすると思う? ただの胃腸炎よ」

それでも古川静弘の疑念は消えない。

隠すつもりがなくても――本人が気づいていない可能性だってある。

さらに問い詰めようとした、その時だった。

「もういいでしょう」

古川母がぴしゃりと遮り、息子を叱る。

「秋葉が違うと言ってるんだから、違うの。しつこく聞くんじゃないわ。ちゃんと尊重しな...

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