第158章 調査

古川静弘は秘書室を出ると、ひと呼吸置いてから林田補佐の執務スペースへ向かった。まとわりつく冷気はまだ消えず、書類に落ちた視線は霜のように冷たかった。

「西区の案件だ。関係資料一式、直近の進捗、窓口担当――全部まとめろ。30分後、俺の部屋に持ってこい」

林田補佐の胸がひゅっと縮む。即座に「承知しました」と返し、指先を忙しく動かした。西区の案件がここ最近どこかおかしいことには気づいていたが、下手に踏み込む勇気はなかった。だが古川静弘が自分から切り出した以上、何かを掴んでいる――そういうことだ。

社長室へ戻った古川静弘は椅子に深く腰を下ろし、指先で机をとん、とん、と叩く。脳裏に浮かぶのは、さ...

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