第170章 彼女の疑念

夜の帳が降りてくるころ、羽鳥秋葉はぐっすり眠り込んだ羽鳥一弥を抱いて帰宅した。

林田新は薬箱を所定の場所に置くのを手伝い、夜間の観察ポイントをひとつひとつ丁寧に言い含めた。彼女の目の奥にこびりついた疲れがどうにも薄れないのを見て取ると、音を立てないように玄関を出る。信用できる部下だけをマンション下に車で待機させ、何かあればすぐ動けるよう目を光らせた。

秋葉はベッドの縁に腰を下ろし、息子の首筋に薄れてきた赤い発疹を指先でそっとなぞる。まだ、ほんのり熱が残っていた。

日中の慌ただしさが胸の奥に詰まったままだ。遊園地での接触事故がようやく過ぎたと思った矢先、今度はアレルギー反応。こんなにも「...

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