第25章 流産は嫌だ

羽鳥秋葉は手がびくりと震え、錠剤をテーブルの上へ落としてしまった。慌ててスマホを探る。

(こんな時間に……誰?)

抑えきれない考えが、勝手に浮かび上がる。

古川静弘の母親だろうか。坂東おばさんがさっき「内緒にしておく」なんて言いながら、結局は古川家に話してしまって――慌てて止めるために電話をかけてきた、とか。

そうだとしたら、怖い。けれど同時に……どこかほっとしてしまう。ようやく「産む」ための口実が手に入る気がして。

だが、画面に表示されたのは見知らぬ番号だった。

「……もしもし」

「失礼します。車のナンバー下三桁がxxxのオーナーさまですか? お車が通行の妨げになっておりまして...

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