第8章

イヴリン視点

 三年後、ロンドン。

 卒業式の日、めずらしく陽光がキャンパスの隅々まで降り注いでいた。

 私は鏡の前でガウンの襟元を整えていると、ジュリアンがドアを開けて入ってきた。手には花束。

「準備できた?」

 三年。冷たくて近寄りがたい指導教員だった彼は、徹夜している私の部屋の明かりを半ば強引に消しに来る恋人になり、崩れそうなときには抱きしめてくれる人になった。先月、彼は私に付き合ってほしいと言った。私はもったいぶって「考えさせて」と答えたけれど、心の中ではとっくに決まっていた。

「マーガレットは?」

 振り向くと、ジュリアンは笑って私の襟を直してくれる。

「少し遅れる...

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