第20章 彼女に少し教訓を与える

林田唯月は両目を真っ赤にし、残っていた力を振り絞った末に、また椅子へどさりと沈み込んだ。

矢吹薫の視線は底の抜けたように暗い。押し殺した怒りが、言葉となって滲み出る。

「林田唯月。刑務所に行きたいみたいだな」

「俺に楯突いた後の始末……お前に付けられるのか?」

矢吹薫の顔は怒気で歪み、何かが自分の掌から滑り落ちていく感覚に、理由の分からない不安――いや、薄い恐怖さえ湧いていた。

林田唯月は立ち上がる。背筋は真っ直ぐだ。

淡々とした眼差しで矢吹薫を射抜き、唇の端に嘲りを刻む。

「始末を付ける? 矢吹薫、結局あなたがやりたいのは、母の治療費と、江口未黒の事業を盾にして私を縛ること。...

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