第39章 俺は君の後ろ盾

今この瞬間も、矢吹薫は無意識に椎名伴凪を庇っている。

林田唯月はこめかみを揉んだ。口論する気力すら、もう残っていない。

投げやりで、どこか嘲るような声音で言う。

「そう。彼女は世界一、純粋で善良な女なのよね。だから――矢吹薫、今ここで離婚して、あなたが彼女と結婚すればいいじゃない。ちょうど望み通りでしょ?」

その言葉を聞いた瞬間、矢吹薫の胸の奥に、言いようのない重い塊がこみ上げた。

「林田唯月。俺と彼女の間は、何もない。清廉潔白だ。信じられないなら、本人に聞けばいい」

清廉潔白?

林田唯月は堪えきれず、ふっと笑った。笑い声が震えて、気づけば涙まで滲んでいた。

彼女はスマホを矢...

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