第60章 もし本当に死んだら、俺は花火を買って祝う

「そうだよ! 俺が先に知り合ったのは薫だ。でも、お前のことだって友達だと思ってる!」

坂東勇は少し不機嫌だった。幼い頃から家は貧しく、友達も多くはない。

矢吹薫は自分を導いてくれた恩人で、師でもあり友でもある。だが林田唯月もまた、勇が「友達だ」と認めた相手だった。

林田唯月の胸に、じんわりと温かいものが込み上げる。強張っていた態度が、少しだけほどけた。

「……本当に私のことを友達だと思うなら、矢吹薫を説得して。私を自由にしてほしいの。お互い、別々に生きる。それでいいでしょう?」

坂東勇は肩を落とし、二人を仲直りさせようとする。

「薫はな、陰でお前のために海外の専門医まで探してる。...

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