第61章 彼に頼みに行く

坂東勇はまだ何か言おうとしたが、向こうは一方的に通話を切った。

「もう一回かける」

気まずそうに背を向けると、彼は慌てたように何度もメッセージを打ち込んだ。

【薫、意地張るな!】

【本当のこと言ってる。嘘じゃない、早く来てくれ】

【今何してる? 本当に全部事実なんだ。今は拗ねてる場合じゃない】

ほどなくして、返信が一通だけ届いた。

【本人に来て頼ませろ。自分で選んだことには、自分で代償を払うべきだ】

その文面を、林田唯月は隣で最初から最後まで見てしまった。

顔色がさっと白くなる。壁に手をついて、今にも崩れそうな身体をどうにか支えた。

「もういい……私が行って、頼むから」

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