第62章 求人の態度

林田唯月は顔を背けるようにして矢吹薫を見た。胸の奥にこみ上げる苦さを押し込み、かすれた声で言う。

「あなたに会いに来たのは……お願いしたいことがあるの。力を貸してくれるなら、私、何だってする」

矢吹薫は椎名伴凪の腰を片腕で抱いたまま、手にしていたグラスを置いた。わずかに身を乗り出す。その圧だけで、息が詰まりそうになる。

「俺に頼む?」

「お前、自分が何を言ったか忘れたのか」

林田唯月は深く息を吐いた。そうしてもう一度、媚びるような笑みを無理やり顔に貼りつける。

「ごめんなさい。全部、私が悪かった」

矢吹薫は鼻で笑い、ソファに深くもたれかかった。

「今さらその手か。遅すぎるだろ...

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