第65章 これは新生だ

泣き疲れた林田唯月は、もう一度鏡の前に立った。

手慣れた動きで、厚めのファンデーションを重ね、唇には鮮やかな紅を引く。そうするだけで、顔色はずいぶんましに見えた。

たとえ母に見えていなくても、いちばんきれいな姿で会いたかった。

病院へ向かう途中、タクシーを止め、ひまわりの花束も買った。

病室に着くと、すでに誰かが母のそばについていた。

林田唯月は目を見開く。

「先輩?」

男は振り返り、苦い笑みをひとつ浮かべた。

「君とおばさんに、別れを言いに来たんだ。家のほうで、海外に行って勉強してこいって決められてさ」

本当は、行きたくなどなかった。

これまで林田唯月のそばにいてやれな...

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