第157章 ただの友達

日野弦羽は、いつもなら落ち着いて柔らかな表情を崩さないのに、このときばかりは珍しく気まずそうに目を泳がせた。

口元を手で覆って軽く咳払いをする。

「いや……そこまでじゃない。ただ、料理するのが久しぶりでさ。ちょっと手が鈍ってただけ……」

その言い方が、玉井彩歌の胸に嫌な予感を芽生えさせる。

そしてその予感は、ひと口目であっさり的中した。

食べられないわけじゃない。けれど、この味……どうにも説明しづらい「妙さ」がある。

向かいに座る日野弦羽は、彩歌の表情をじっと見ていた。彼女がひと口食べた瞬間、間髪入れずに聞いてくる。

「どう?」

彩歌は飲み込んでから、にこりと穏やかに笑った。...

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