第207章 子どもを奪い返す

「――その資格、あなたにあるの?」

玉井彩歌はそれ以上は言わず、淡々とそう吐き捨てた。

浅見朝治に、機会を与えてこなかったわけじゃない。

けれど、胸いっぱいの愛情は、浅見朝治の嫌悪と冷淡さに削られ、すり減り、とうとう尽きた。

彩歌はもう、新しい人生へ進むと決めた。なのに今さら、浅見朝治は「なぜだ」と問う。

宇野章華が、彩歌に朝治を侮辱されて黙っていられるはずがない。

彼女は三歩で距離を詰めると、安に手を伸ばして奪い取ろうとした。

「これは浅見家の血よ! 当然、浅見家に残すの! あんた何様? 子どもを奪うつもり!?」

彩歌は安を抱いたまま後ずさり、足を何かに引っかけた。

体が...

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