第208章 安をそばに置く

安の小さな手が、玉井彩歌の指をぎゅっと握りしめた。

肌が触れ合った瞬間、彩歌の胸に、血が繋がっているみたいな不思議な感覚がすっと満ちる。

藤川園歌は愛おしげに彩歌の髪を整え、囁くように言った。

「彩歌……今まで、つらかったね」

藤川園歌は、彩歌が浅見家でたった一人、大きなお腹を抱えながら浅見家の人間に尽くしていたことを思い出すたび、胸の奥がきりきりと痛んだ。

彩歌は安の白くておとなしい頬を見つめ、心の隙間が幸福で埋まっていくのを感じる。

笑って首を振った。

「大丈夫。もう全部、終わったから。今の私には……これで十分、満たされてる」

それは本心だった。

玉井彩歌は、いつか自分...

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