第21章 使用人と間違われる

浅見朝治は眉間に深い皺を刻み、浅見お婆さんにだけ聞こえるよう、早口で言った。

「お婆さん、俺はほかに用がある。話はまた今度」

そう言い残して、玉井彩歌を探しに行こうと踵を返す。

――が、振り向いた瞬間、ちょうど駆けてきた牧野晴と正面でぶつかりそうになった。

「朝治さん」

牧野晴はスカートの裾を軽く摘まみ、にこやかに歩み寄ってくる。

「宴会場のほうで、朝治さんを探してる方がいるの」

彼女はごく自然に浅見朝治の隣へ並び、くるりと浅見お婆さんへ向き直った。

「浅見婆さん、今日はお顔色が本当にお綺麗。お召しの着物も、すごくお似合いです。若く見えますよ」

つんとしていた浅見お婆さんの...

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