第39章 これほど似通った面持ち

彼女が放つ、寄せつけない冷たさを肌で感じ取り、牧野新は胸の内でそっとため息をついた。もう何も言わない。

車内は再び、息が詰まるほどの静寂に沈む。

息苦しさを紛らわせるためか、運転手が後部座席の窓をほんの少しだけ下げた。

すき間から入り込んだ風が、玉井彩歌の頬をやわらかく撫で、耳元の細い後れ毛をふわりと乱す。

彩歌はわずかに横を向き、無意識に細い指を上げた。言うことを聞かないその数本を、そっと耳の後ろへ流す。

――その仕草が、牧野新の視界に刺さった。

思わず息が止まる。

脳裏に浮かんだ母の面影が、いま目の前の彼女と重なってしまったのだ。

その動き。癖。あまりにも、似ている。

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