第44章 分をわきまえる

坂東伽恵と周防桂が帰ったあとの浅見本家のリビングは、死んだように静まり返った。

空気まで凍りついたみたいだった。

浅見家の面々の顔色は、揃いも揃って最悪だ。坂東伽恵が去り際に投げつけた言葉は、浅見家に向かって衆目の前で平手打ちを食らわせたのと同じだった。

救いがあるとすれば、今日集まっていたのが浅見の祖父と長年付き合いのある旧知ばかりだということ。軽重を弁えている。外で面白半分に吹聴するような連中ではない。

それでも、ここまで場が崩れてしまえば客たちも居心地が悪い。次々に適当な理由を口にして、腰を上げていった。

浅見の祖父は杖をつき、最後の体面だけを必死に保ちながら、一人ひとりを玄...

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