第170章 手を離さない

「俺たちの間に問題なんてない!」今泉拓真は焦ったように口を開いた。「前に君を怒らせたことは謝る。でも、保証するよ。俺は千田愛由美のことなんて一度も気にかけたことはない。彼女を庇ったのは、ただ君と……平野裕司への当てつけだったんだ」

「でも、これからはもうしない。二度と平野裕司のことで何か言ったりしない。君が喜んでくれるなら、彼を困らせるようなこともしない。小島麻央、君が望むなら、俺は何だってする」

小島麻央はわずかに眉をひそめた。「たかが子供一人のために、それほどの価値があるの?」

「もちろん子供のためじゃない」今泉拓真は彼女を強く腕の中に抱きしめた。「君のためだ。俺たちの家庭のためだ...

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