第23章 痛くさせた

嗅ぎ慣れたホルモンの匂いがふわりと漂い、小島麻央は心臓の鼓動が速くなるのを感じた。「やめて、ここには監視カメラがあるのよ!」

今泉拓真は手を伸ばして彼女の鼻を軽くつつき、低く笑った。「おばあ様の言うことを何でも信じるのか? まさか本当に俺たちの部屋に監視カメラを仕掛けるわけないだろう」

「あなたの方がおばあ様のことをよく分かってるのね」小島麻央は引きつった笑みを浮かべた。「もう遅いし、私、寝るわ」

男は彼女を腕の中に閉じ込めた。「焦るな。病院に行く前のことがまだ終わってない。今からその続きだ」

「だめ!」小島麻央は慌ててパジャマの前をかき合わせた。「どうしてもって言うなら、私、おばあ...

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