第332章 私はあなたが好きではない

小島麻央は急いで中に入ろうとはせず、静かにドアの前に立って二人の様子を眺めていた。

今泉拓真はさりげなく身をかわした。

「そこに置いてくれ。腹は減ってないから、後で食べる」

「拓さん、昔はこのお粥が一番好きだったじゃない。うちは貧しかったから、毎回鶏肉を半分しか買えなくて。じっくり煮込んだ鶏ガラスープに生米を入れてお粥を炊いて、取り出した鶏肉を細かく手で裂いて、お粥が炊き上がったらそこに戻すの。塩とネギを散らして味を整えると、拓さんはいつも大きなドンブリで二杯も食べてくれたわ」

三木夕実は過去の美しい思い出を語るうちに、堪えきれずに涙を溢れさせた。

「拓さん、知らないでしょうけど、...

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