第35章 何の薬を飲む

小島麻央はびくりと震え、それ以上何も言えなくなった。

今泉拓真はその反応に満足し、「今から俺が行くところには、お前もついてこい。二度と日野遥斗に会うな」

小島麻央は眉をひそめた。「あの親子はもうすぐ海城市に帰るんです。この二日間、私がすることは大樹の世話をしに行くくらいです」

「二度言わせるな」

小島麻央はぷいと顔を背けた。

ロールスロイスは今泉グループの駐車場に停まり、今泉拓真は小島麻央を連れて専用エレベーターで最上階へ上がった。

「ここで待ってろ。何か必要なものがあれば内野浩史に言え」

内野浩史は今泉拓真の助手で、グループ内で今泉拓真と小島麻央が結婚していることを知っている...

ログインして続きを読む