第39章 犯人を見つける

千田愛由美の胸の鬱屈は一掃され、喜びのあまり吹き出しそうになるのを堪え、すぐに嘲るように言った。「小島麻央、あなたも慎みというものを知らないのね。外でどこの馬の骨とも知れない男と知り合って、今泉家にまで直接訪ねてこさせるなんて。これが世間に知れたら、今泉家と拓真さんの面子はどこに置けばいいのかしら?」

今泉健太郎はそれを聞くと、途端に居ても立ってもいられなくなった。「小島麻央、どういうつもりだ? 公然と兄貴に緑の帽子を被せる気か? その野郎を今泉家の門に入れるな。誰か、そいつを叩き出してこい!」

「無礼者!」今泉家の祖母が厳しく言い放った。「来る者は客です。お前にもてなしの道を教えなかっ...

ログインして続きを読む