第45章 子供がいなくなった

今泉拓真はぱっと顔を輝かせた。「目が覚めたか?どこか具合が悪いところはないか?医者を呼んでくる!」

小島麻央はとっさに彼の手を掴み、乾いた掠れた声で必死に言葉を絞り出した。「赤ちゃんは?赤ちゃんはまだいるの?」

今泉拓真は一瞬言葉を詰まらせ、口を開いた。「小島麻央、君は妊娠していなかった」

小島麻央は眉をひそめた。「そんなはずないわ。私は婦人科が専門じゃないけど、脈を診間違えるなんてありえない。それに、妊娠検査薬も使ったのよ!」

彼女は何かに思い至り、涙が溢れ出した。「もしかして、子供が駄目になったから……私が受け入れられないと思って、わざとそう言ってるの?昨日の夜、あんな...

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