第67章 あなたは残酷すぎる

着替えを済ませ、髭まできれいに剃った今泉拓真の、気品あふれる端正な顔立ちは、ベッドの上で憔悴しきった小島麻央とはまるで対照的だった。

小島麻央はただ、ぼうっとしていた。自分が深く愛した男は、いつだってこんなにも完璧で、一点の曇りもなかった。

ただ残念なことに、その完璧さは永遠に自分のものにはならない。

今泉拓真の姿を目にした祖母は、途端に腹の虫が収まらなくなったが、それでもなんとか堪え、ただ冷笑を浮かべて問いかけた。「今泉社長がこのような場所にお越しになる時間がおありとは。どうやら、あの高貴な千田さんとやらは、ようやくご無事になられたようですな」

今泉拓真は眉をひそめ、困ったように彼...

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