第88章 彼に告白する

小島麻央はゆっくりと顔を上げ、再び彼を見つめた。

顔は真っ赤で羞恥を隠せない様子だったが、口を開いたその声は、この上なく固い決意に満ちていた。「あなたと結婚したのは、もっと大事な理由があって……あなたが好きだからです。あの時、あなたは植物状態で、一生目覚めないかもしれないと言われていました。それでも私はあなたと結婚したかった。たとえあなたが永遠に目覚めなくても、一生あなたのそばにいたいと思ったんです」

今泉拓真の心は、静かな湖面に巨石が投じられたかのように、幾重もの波紋を広げた。

自分の心臓の鼓動がどんどん速くなっていくのが聞こえるようだった。

小島麻央が自分を愛していることはとうに...

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