第95章 正式離婚

今泉拓真には理解できなかった。「でも、君は前に俺を愛してるって言ったじゃないか。俺の体に問題があっても気にしないとも」

「あの時は、あなたが私を助けてくれたから、とても感動して、つい衝動的にあなたとやり直すことを承知してしまったの」小島麻央は目の奥に込み上げる涙を必死に抑え、零さないように堪えた。「でも、冷静になって考えたら、やっぱりこんな生活は受け入れられないって気づいた」

「あなたを愛してる。でも、それ以上に自分自身を愛してるの。子供がいない人生なんて、私には一生後悔が残る。後悔はしたくない。だから拓真、ごめんなさい。離婚して。あなたへの恩返しは別の形でするわ。あなたが千田愛由美に恩...

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