第263章:アッシャー

残りは、きっかり四十三時間。

そう断言できるのは、数えているからだ。

焦っているわけでも――不安でたまらないわけでもない。ただ……ペニーがこれほどまでに、何かへ自分のすべてを注ぎ込む姿を、今まで見たことがなかった。

スプリング・ガラ。

主役としてのデビュー。

彼女は子どもの頃から踊ってきた――声がまだ完全に形になっていない頃から、自分に何が必要なのか言葉で求める術も知らなかった頃から。そして今、それが目の前にある。あと二晩眠ればいい。地球が二度回転すれば、彼女はずっと欲してきたものの只中へ足を踏み入れる。

それが、彼女を蝕んでいる気がする。

この二週間は苛烈だった。真夜中まで続く...

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