第35章:ペニー

目が覚めると、ベッドは空っぽで、やけに重たい毛布が逃がすまいとするみたいに私を繭のように包みこんでいた。

一瞬、まだ半分眠ったまま天井をまばたきしながら見上げ、ここはどこだっけ、今日は何曜日だっけ、なんで自分が妙に幸せなんだっけ――と頭の中で探る。

それで、思い出す。

昨夜。

腰に回されたタイラーの腕。耳もとに落ちる低い笑い声。息が近いだけで笑わせられるとでも言うみたいに、あちこちにキスを落としてきたこと。

完璧じゃなかった――けど、私たちのものだった。

いい意味でぐちゃぐちゃで、

ちゃんと本物の、ぐちゃぐちゃ。

寝返りを打って毛布を押しのけると、ナイトスタンドの縁にド派手なネオ...

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